瓦屋根葺替え
改修 / 鳥取県湯梨浜町
2021年

施工業者:鶴澤建築
ご依頼内容・施工前の様子
- 台風に関連して発生した竜巻によって瓦が飛ばされた
- 瓦屋根を全面葺替える

竜巻によって、約150枚の瓦が被害をうけました
提案内容・施工風景
- 全ての土葺き瓦を、釘止めの瓦に葺き替える
- 翌年度から義務化される最新の工法で瓦を留め付け、町の補助事業を活用する
- 鬼瓦の再利用
現在は瓦を釘止めすることが一般的です。しかし、この建物が建てられた昭和2年当時は、瓦を土で葺くことが主流でした。適切な管理が成されていたため、約90年経っていましたが葺き土は健全な状態でした。この土地は3度の大地震を経験しているにも関わらず、驚くべきことです。ただ、土葺きの屋根は瓦と土の接着に頼る工法で、下から吹き上げる力が想定されていないため、竜巻などで瓦が飛ばされてしまう恐れがあります。近隣では、現在一般的な釘止めで葺かれた瓦屋根ですら被災していました。そのため、より堅牢な最新の工法ですべての瓦を葺き替えることを提案いたしました。

落下防止の作業足場を組み終わりました。足場の下にはシートを敷き、作業後の清掃を確実におこないます。地中に埋設されている配管をクレーンなどの重量物で損傷することがないよう、ロープを張って各業者と認識を共有します。
施工完了・その後

屋根の反りが美しい、入母屋屋根の葺替えが完了しました。
設計士より
古い瓦を剥がした日は、ブルーシートで一晩過ごしました。そんな日に限って天気が急変し暴風雨となりました。眠ることも出来ず、気が気ではありませんでした。
怪我なく、安全に終えられホッとしています。
当建物の被害の原因となった竜巻は、近所にも複数被害を及ぼしていました。これらは当建物のように土葺きの建物に限らず、現在一般的に行われている釘止めの建物にも及んでいました。
このことから、従来の釘止めの方法では、ごく稀に発生するような強烈な自然災害には耐えられないのではないかという疑問が生まれました。
より強固な工法を探求するうちに、次年度から義務化が予定されている最新の工法を選定するべきだという結論に至りました。
丁度、この工法が町の補助事業の要綱に該当することがわかり、交付を受けることができました。